投稿者: admin

  • 痴漢を疑われたかもしれない日

    痴漢を疑われたかもしれない日

    痴漢は、絶対にあってはならない。

    同じように、痴漢の冤罪も絶対にあってはならない。

    なぜなら、どちらも人の人生を壊すからだ。

    先日、電車の中で僕はそのことを初めて自分事として考えた。

    きっかけは、目の前にいた女性のスマートフォンに表示されていた、たった一つの言葉だった。

    「防犯ブザー停止中」


    「防犯ブザー停止中」と表示されたスマートフォン

    その日、僕は電車に乗っていた。

    自分が降りる駅だと思い、ドアのほうへ近づいた。しかし、駅を間違えていた。

    仕方がないので、そのままドア付近で次の駅に着くのを待った。

    しばらくして、ふと目の前を見ると、ドアの隅に女性が立っていた。その人のスマートフォンの画面がちらっと見えた。

    そこには、こう書かれていた。

    「防犯ブザー停止中」

    防犯ブザー停止中?

    なんだ、それ。

    よくわからなかった。ただ、なんだか怖いと感じた。僕はそこから2、3歩ほど後ろへ下がった。

    しばらくして自分が降りる駅に着き、僕はそのまま電車を降りた。

    まさか、僕が痴漢だと思われていたのか

    電車を降りてすぐ、僕は「防犯ブザー停止中」という言葉を調べた。

    すると、画面に大きくこう表示されるアプリが出てきた。

    「痴漢です 助けてください」

    まさか、僕が痴漢だと思われていたのか。

    そう考えた瞬間、震えた。

    もし、あの場でブザーを鳴らされていたら、僕はどう対応していたのか。

    その後、僕の人生はどうなっていたのか。

    何度も何度も、頭の中をぐるぐると回った。

    想像するだけでも恐ろしかった。

    もちろん、その女性が本当に僕を疑っていたのかはわからない。

    僕が見たのは、スマートフォンに「防犯ブザー停止中」と表示されていたことだけだ。実際に何を考えていたのかは、本人にしかわからない。

    それでも僕は、何もしていないのに痴漢だと疑われたかもしれない、と感じた。

    そして、強い恐怖のあとに、腹立たしさが湧いてきた。

    自分がそんなことをするわけがない。

    何を疑っているんだ。

    こんなことで自分の人生を終わらされてたまるか。

    ひどく憤慨した。

    立ち止まって、女性側の気持ちを考えた

    ただ、一度立ち止まって考えた。

    もし女性側から見たら、どうだったのか。

    駅に着いた瞬間、知らない男性が急に近づいてきた。

    僕には何の意図もなかった。ただ駅を間違えただけだった。しかし、相手にはそんな事情はわからない。

    もしかすると、謎に近づいてくる男性の存在は、非常に怖いものだったのかもしれない。

    僕は、それまで痴漢対策のアプリを入れている女性がいることすら知らなかった。

    もしかしたら、その女性は過去に似たような経験をして、本当に恐怖を感じたのかもしれない。だから、いざというときに自分を守れるよう、そのアプリを入れていたのかもしれない。

    もちろん、これも僕の想像でしかない。

    僕は、その女性の気持ちを勝手に代弁したいわけではない。最初に湧いた腹立たしさを誰かにぶつけたいわけでもない。

    ただ、この出来事を通して、男性にも女性にも伝えたいことができた。

    女性に伝えたい2つのこと

    1.いざというときは、道具に頼っていい

    これは僕にとって大きな学びだった。

    本当に怖いとき、声が出るとは限らない。

    誰かに助けを求められるとも限らない。大声を出せるとも限らない。

    そんなとき、防犯ブザーやアプリがあれば、周囲に危険を知らせることができる。

    自分の身を守るために、そうした道具を使う選択肢は持っておいたほうがいい。

    2.その判断が、相手の人生を左右する可能性も知ってほしい

    もちろん、実際に被害に遭ったなら、ためらわず助けを求めてほしい。

    一方で、勘違いによって疑われた人の人生が大きく変わる可能性もある。

    僕が意図せず近づいたことで、その女性に不快な思いをさせたかもしれない。しかし、僕は何もしていない。

    もしあの瞬間にブザーが鳴っていたら、僕が何を言っても、その場ですぐ信用してもらえた保証はない。

    仮に最後には疑いが晴れたとしても、疑いをかけられた本人が負った傷まで、なかったことにはならない。

    痴漢の被害を訴えることをためらってほしいわけではない。

    誰かを疑い、周囲に知らせる行為には、それだけ大きな影響がある。そのことも知っておいてほしいという話だ。

    世の中をマクロで見れば、痴漢に関するデータや、長く積み重なった歴史があるのだと思う。

    しかし、ミクロで見れば、目の前にいる一人の人間が本当に何かをしたのかは別の問題だ。

    一人ひとりを、属性だけで決めつけてはいけない。

    男性に伝えたい2つのこと

    1.間違われるような行動をしない

    「李下に冠を正さず」とは、よく言ったものだ。

    男性側に何の意図がなくても、相手がどう受け取るかまでは決められない。

    僕もただ駅を間違えただけだった。しかし女性から見れば、知らない男性が突然近づいてきたように見えたかもしれない。

    納得できないと感じる男性もいると思う。

    それでも、疑いをかけられた瞬間に、自分の無実をその場で信じてもらえる保証はない。その状況では、男性も社会的に弱い立場になり得る。

    だからこそ、その事実を理解したうえで行動する必要がある。

    混雑した車内では距離を取る。手の位置を意識する。相手に誤解を与えそうな動きを避ける。

    そして、もし本当に間違われたなら、やっていないことは、やっていないと主張する。

    2.万が一の対処を事前に調べておく

    こうした出来事は、誰に降りかかるかわからない。

    そのとき、何をすべきなのか。

    どう行動すべきなのか。

    逆に、何をしてはいけないのか。

    何も起きていないうちに、一度は調べておいたほうがいい。

    周囲に証人がいるかもしれない。助けてくれる人もいるかもしれない。しかし、他人が必ず助けてくれることを前提にしてはいけない。

    最後に自分の身を守るのは、自分だ。

    無実であるなら、その事実を適切に主張するための知識を持っておく必要がある。

    相手の気持ちや立場を考えて行動しろよ

    僕は、痴漢の話だけをしたいわけではない。

    冤罪があると騒ぎ立て、女性を責めたいわけでもない。

    伝えたいのは、痴漢も冤罪も実際に起こり得て、いつ自分に降りかかるかわからないということだ。

    本当に痴漢被害に遭えば、その人は長く心に傷を負うかもしれない。

    一方で、何もしていない人が痴漢を疑われれば、その人は社会から「痴漢をした人かもしれない」という目で見られる可能性がある。あとから疑いが晴れたとしても、負った傷や、周囲に残った疑いまで簡単に消えるとは限らない。

    どちらも、相手の人生を壊す。

    だから、痴漢は絶対にあってはならない。

    同じように、冤罪も絶対にあってはならない。

    正直に言えば、僕もこの出来事が自分の身に降りかかるまで、ここまで真剣に考えたことはなかった。

    男性には、女性が感じる恐怖を想像してほしい。

    女性には、疑いをかけられる男性の恐怖も想像してほしい。

    すべてを完璧に理解することはできない。それでも、想像することはできる。

    相手の気持ちを持って行動するべきだ。

    少しでも、痴漢で傷つく人が減ってほしい。

    そして、冤罪で傷つく人も減ってほしい。

  • 社会人になって失う、3つのもの

    社会人になって失う、3つのもの

    先日、ある就活生に聞かれた。

    「社会人になって失うものは何ですか?」

    時間を失うことは、本人も想像していた。

    ただ、それ以外にも失うものがあるのか。
    いろいろな社会人に聞いているという。

    僕は逆に聞いた。

    「ほかの人は、何て答えているの?」

    その就活生は言った。

    「みんな、特に失うものはないと言います」

    僕は、それは間違いだと思った。

    少しだけ考えさせて、と伝えた。
    そして、3つ答えた。

    • 友達
    • 自由
    • 正解

    僕は、社会人になってこの3つを失った。

    ただし、失うことがすべて悪いとは思っていない。

    自分で何かを選ぶということは、何かを手放すことでもあるからだ。


    1. 友達を失った

    社会人になってから、僕は自分の時間を仕事と成長に投資するようになった。

    飲みに行きたい。
    なんとなく集まりたい。
    昔と同じように付き合いたい。

    そういう時間は、二の次にした。

    その結果、友達付き合いは悪くなった。
    実際に、関係が切れた友達も何人もいる。

    誤解を恐れずに言えば、僕は無駄な友達は捨てた。

    相手に人としての価値がない、という話ではない。

    自分が進みたい方向を考えたときに、なんとなく続いていた関係へ時間を使うことをやめた、ということだ。

    僕は仕事で成長したかった。
    そのために、限られた時間の投下先を変えた。

    失った友達はいる。
    一方で、得られた成長も大きかった。

    だから、この変化をマイナスには捉えていない。

    僕にとっては、必要な新陳代謝だった。

    仕事は、人生の大きな割合を占める。

    仕事以外に残された時間を、誰と過ごし、何に使うのか。

    そこで人生は分かれていく。


    2. 自由を失った

    学生には、モラトリアムという自由がある。

    時間の自由。
    何者かにならなくてもいい自由。
    大きな責任に縛られない自由。

    社会人になると、その自由は減る。

    先輩の言葉がある。
    会社のルールがある。
    株主の意向がある。
    そして、果たさなければならない責任がある。

    自分の気分だけで時間を使うことはできなくなる。

    だから僕は、自由を失った。

    ただ、すべての自由が減ったわけではない。

    むしろ、増えた自由もある。

    成果を出すまでの手段を、自分で選べる場面が増えた。

    学生時代より使えるお金が増え、行ける場所や会える人も増えた。
    自分の意思を、実際の行動に変えられるようになった。

    社会人になると、自由がなくなるのではない。

    自由の種類が変わる。

    責任を負わなくていい自由を失い、責任の中で選ぶ自由を手に入れる。


    3. 正解を失った

    学生時代には、正解が用意されている。

    テストで100点を取れば正解。
    いい点数を取れば正解。
    いい大学に行けば正解。

    目指す場所は、あらかじめ決められている。

    周りと比較しながら点数を出せば、評価される。

    しかし、社会人になると、その正解がなくなる。

    僕も1年目の頃は、正解を探し続けていた。

    どうすれば代表に認められるのか。
    どうやれば評価されるのか。
    何を選べば正解なのか。

    ずっと探した。

    それでも、まったく分からなかった。

    当たり前だった。

    そもそも、探していた正解が存在しなかったからだ。

    それに気づいてから、自分で決めて頑張ろうと決意した。

    ただ、分かったからといって、すぐにできたわけではない。

    自分で決めること。
    決めたことをやり切ること。
    その結果に責任を持つこと。

    どれも難しかった。

    体現できるようになってきたと感じたのは、社会人6〜7年目あたりからだ。

    会社の数字に責任を持つようになった。
    7人の部下を持ち、それぞれに成果を出させなければならなくなった。

    そこで初めて、誰かが正解を渡してくれるのを待ってはいられないと、腹の底から理解した。

    責任を持つとは、自分で決めることだ。

    そして、自分が選んだ道を正解に変えることだ。


    正解を探す前に、やるべきこと

    就活生や新社会人の皆さんに、伝えたいことが3つある。

    1. 時間の投下先を決める

    社会人になれば、仕事が生活の中に入ってくる。

    すべてを選ぶことはできない。

    誰と過ごすのか。
    何を学ぶのか。
    どこに自分の時間を使うのか。

    まず、自分で決める。

    2. 誰かの正解を探すのをやめる

    先輩の正解が、自分の正解とは限らない。

    会社の評価だけを追っても、自分の進む道は決まらない。

    借り物の正解を集めるのではなく、小さなことでも自分の意思で決める経験を持つ。

    3. 選んだ道を正解に変える

    意思決定は、選んだ瞬間には正解でも不正解でもない。

    決めた後にどう動くか。
    どこまでやり切るか。
    結果にどこまで責任を持つか。

    それによって、選択は正解に変わっていく。


    失うことは、選ぶことだ

    社会人になれば、失うものはある。

    僕は友達を失った。
    自由を失った。
    そして、正解を失った。

    でも、それはただ奪われたという話ではない。

    自分の人生を自分で選ぶために、手放したものでもある。

    正解を探すんじゃないよ。

    自分でどこに、どれぐらいの時間を投下するのか。
    何を正解とするのか。

    それを、自分で決めなきゃいけないんだよ。

    そして決めたなら、その選択を自分の手で正解に変えていく。

    それが、社会人になるということだと僕は思う。

  • 結論から話せない人は、仕事ができない

    結論から話せない人は、仕事ができない

    とにかく結論から話せ。

    これができない人は、仕事ができない。

    かなり厳しく聞こえると思う。
    でも、これは本当にそうだ。

    結論から話せない人は、ただ話し方が下手なのではない。

    相手が何を聞いているのかを理解できていない。
    頭の中で物事を整理できていない。
    そして何より、相手の時間を奪っている。

    だから僕は、結論から話せない人は仕事ができないと言い切る。


    聞かれたことに答えられない人が多すぎる

    仕事ができない人には、共通点がある。

    聞かれたことに答えない。

    「現状どうですか?」と聞かれているのに、
    「今こういうことをやっていて、ここで悩んでいて、こういう背景があって」
    と説明から入る。

    違う。

    まず答えるべきは、現状だ。

    「結論、進捗は80%です」
    「結論、まだ完了していません」
    「結論、今日中には終わりません」

    これでいい。

    そのあとに理由や背景を話せばいい。

    相手は最初に結論を知りたい。
    背景を聞きたいわけではない。
    物語を聞きたいわけでもない。

    質問されたことに対して、まず答える。

    これが仕事の会話の最低ラインだ。


    大人でも、管理職でも、できていない

    これは若手だけの話ではない。

    とある大手メーカーとミーティングしたときのことだ。

    製造部門の管理職の方が、こちらの質問に対してまったく答えなかった。

    質問をすると、
    「その質問は難しいですね」
    という言葉から入り、そのあとに長い説明が続いた。

    ただ、結局何を言いたいのかがわからない。
    こちらの質問への答えもない。
    相手が話したいことを、相手の順番で話しているだけだった。

    その瞬間、かなり強く思った。

    日本の大企業の管理職ですらこれなのか、と。

    これでは成長しない。
    会議の生産性も上がらない。
    意思決定も遅くなる。

    年齢を重ねているから仕事ができるわけではない。
    役職があるから仕事ができるわけでもない。

    結論から話せない人は、何歳であっても仕事ができない。


    結論から話す人は、構造的に考えている

    よく「構造的に話せ」と言われる。

    もちろん、それは正しい。
    ただ、実務で一番大事なのは、まず結論から話すことだ。

    結論から話せている時点で、その人はある程度、構造的に考えている。

    なぜなら、結論から話すには、頭の中で次の整理が必要だからだ。

    「相手は何を聞いているのか」
    「自分の答えは何か」
    「どこまで話せば相手に伝わるのか」

    これを一瞬で整理しないと、結論からは話せない。

    逆に、だらだら話す人は、この整理ができていない。

    自分の頭に浮かんだ順番で話している。
    自分が不安なところから説明している。
    自分が頑張ったことを先に伝えようとしている。

    でも、相手が知りたいのはそこではない。

    相手が聞いていることに、まず答えろ。

    仕事の会話は、それだけでかなり変わる。


    僕も、最初からできていたわけではない

    ここまで厳しく言っているが、僕も最初からできていたわけではない。

    入社1年目のころは、まったくできていなかった。

    質問に対して回答できない。
    だらだらと自分がやっていることを話す。
    社長の大切な時間を奪う。

    そんな時期があった。

    外部の方に報告するときも同じだった。

    結論から話さない。
    構造的にも話さない。
    現状をだらだら話す。
    相手に「ここまで大丈夫ですか?」と確認することもない。

    ただただ、自分が喋りたいことを喋っていた。

    今振り返ると、本当に生産性の低い時間だったと思う。

    相手の時間を奪っていた。
    相手の集中力を削っていた。
    相手に余計なストレスをかけていた。

    だからこそ、強く言える。

    結論から話せない人は、仕事ができない。

    これは過去の自分にも言っている。


    すぐ答えなくていい。3秒考えろ

    勘違いしている人が多い。

    質問されたら、すぐに答えなければいけないと思っている。

    違う。

    すぐ答える必要はない。

    むしろ、何も考えずに話し始める方が危ない。
    その結果、聞かれたことに答えられず、だらだら話すことになる。

    まず3秒考えればいい。

    「何を聞かれているのか」
    「結論は何か」
    「最初に何を返すべきか」

    これを3秒で整理する。

    そのうえで、最初の一言をこう始める。

    「結論は、〇〇です」

    これだけでいい。

    この一言を入れるだけで、会話の生産性は大きく変わる。

    相手も聞きやすい。
    自分も話しやすい。
    話の脱線も減る。

    まず「結論は」と言う。

    そのあとに理由を話す。
    必要であれば背景を話す。
    最後に補足をする。

    順番を間違えるな。


    答えられないなら、考える時間をもらえ

    とはいえ、すぐに結論が出ない質問もある。

    そのときに無理やり話し始める必要はない。

    「10秒考えてもいいですか?」
    「少し考えてもいいですか?」

    そう言えばいい。

    これを言える人の方が、よほど仕事ができる。

    考える時間をもらって、頭の中を整理する。
    相手が何を求めているのかを考える。
    そのうえで結論から返す。

    それでいい。

    沈黙を怖がって、適当に話し始めるな。

    そのだらだらした説明の方が、よほど相手に迷惑だ。


    今日からやることは3つだけ

    結論から話すために、今日からやることは3つだけだ。

    1つ目。
    質問されたら、まず3秒止まる。

    反射で話し始めない。
    相手が何を聞いているのかを考える。

    2つ目。
    最初に「結論は」と言う。

    この言葉を強制的に入れる。
    すると、自分の頭も結論を探しにいく。

    3つ目。
    すぐ答えられないなら、考える時間をもらう。

    「少し考えてもいいですか?」
    この一言を言えばいい。

    これだけで、仕事の会話はかなり改善される。

    難しいフレームワークはいらない。
    きれいなプレゼン技術もいらない。

    まず、聞かれたことに答える。
    まず、結論から話す。

    これができないまま、仕事ができるふりをするな。


    最後に

    結論から話すことは、単なる話し方のテクニックではない。

    相手の時間を守ることだ。
    相手の問いを正しく受け取ることだ。
    自分の頭の中を整理することだ。

    だから、結論から話せない人は仕事ができない。

    これは若手にも言いたい。
    中堅にも言いたい。
    管理職にも言いたい。

    年齢も役職も関係ない。

    聞かれたことに答えられない人は、仕事の会話を壊す。
    だらだら話す人は、相手の時間を奪う。

    まず結論から話せ。

    それが、仕事ができる人の最低条件だ。

  • 成功するまで続ければ成功する、は半分だけ正しい

    成功するまで続ければ成功する、は半分だけ正しい

    「絶対に成功する方法は、成功するまでやり続けること」

    この言葉は、半分正しい。

    でも、半分だけだ。

    なぜなら、成功するまでやり続けることが正しいのは、戦う場所が合っている場合に限るからだ。

    皆さんの中にも、今の仕事でこう思っている人がいるかもしれない。

    頑張っているのに評価されない。

    上司が無能だから、自分は成長できない。

    もっといい仕事ができるはずなのに、チャンスが回ってこない。

    だから転職して、キャリアアップしたい。

    その気持ちはわかる。

    転職すること自体を否定するつもりはない。

    でも、ここで一度だけ本気で考えた方がいい。

    本当に、転職するだけであなたの価値は上がるのか。

    場所を変えれば、自分は評価される。

    そう思っているなら、かなり危ない。

    それは環境選びではない。

    ただの場所替えだ。


    成功する方法は2つしかない

    僕は、成功する方法は2つしかないと思っている。

    1つ目は、成功できる場所を探すこと。

    2つ目は、その場所で成功するまで続けること。

    このどちらかだ。

    成功できる場所を探す

    成功確率の高い場所で戦う。

    その場所で勝つまでやる

    今いる場所で勝つまでやる。

    すごくシンプルだ。

    でも、多くの人はここを混ぜる。

    今の場所では勝ち筋がないのに、根性だけで何とかしようとする。

    逆に、自分の課題を見ないまま、場所だけ変えれば勝てると思う。

    どちらも違う。

    今の場所にしがみつきすぎるのも危ない。

    場所を変えれば全部うまくいくと思うのも甘い。

    成功したいなら、本気で考える必要がある。

    自分は何ができるのか。

    何に適性があるのか。

    どこなら成功する土台を作れるのか。

    そして、その場所で成功するまで続けられるのか。

    これが僕のキャリア論だ。

    転職だけの話ではない。

    人生のほとんどに言える。


    「成功するまで続ける」は、最初は正しいと思っていた

    僕の社長が、昔こう言っていた。

    「絶対に成功する方法は、成功するまで続けること」

    最初は、僕もその通りだと思っていた。

    成功するまでやれば、失敗で終わることはない。

    諦めなければ、いつか勝てる。

    そういう考え方は嫌いじゃない。

    むしろ、かなり大事だと思っている。

    その場所で本当に成功したいなら、最後までやるしかない。

    無茶でも、しんどくても、諦めずにやる。

    それが必要な場面は確実にある。

    続けるだけでは足りない

    ただ、途中から思うようになった。

    この考え方は、片手落ちなのではないかと。

    時間も体力もお金も、無限ではない。

    若さも無限ではない。

    戦いながら場所を調整することはできる。

    でも、リソースが尽きたら終わる。

    だから「続ける」だけでは足りない。

    どこで続けるのか。

    何で勝つのか。

    そこまで考えないといけない。


    ナスは、トマトにはなれない

    この考えが強くなったきっかけがある。

    森岡毅さんの『苦しかったときの話をしよう』だ。

    その中で、僕は「ナスはナスとして勝つ」という趣旨の話に触れた。

    ナスはトマトにはなれない。

    トマトになろうとしても、うまくいかない。

    でも、ナスとして勝つ場所はある。

    これを読んだとき、かなり腹落ちした。

    成功するには、努力が必要だ。

    でも、努力する場所を間違えると苦しくなる。

    自分の適性を無視して、向いていない土俵で勝とうとする。

    それで勝てないから、環境のせいにする。

    上司のせいにする。

    会社のせいにする。

    評価制度のせいにする。

    でも、本当に見るべきなのはそこではない。

    自分は何者なのか。

    何なら勝てるのか。

    どこなら自分の強みが武器になるのか。

    そこを見る必要がある。


    僕も、環境のせいにしていた

    偉そうに言っているけど、僕も同じことをしていた。

    社会人1年目のとき、会社を辞めようと思ったことがある。

    この会社にいたら成長できない。

    代表が自由すぎる。

    もっとちゃんとした環境に行った方がいい。

    そんなことを考えていた。

    もちろん、本当に環境が合っていない場合もある。

    だから、辞めたいと思うこと自体が悪いわけではない。

    ただ、当時の僕は、自分のことを見切れていなかった。

    自分に何ができるのか。

    何が足りないのか。

    今の場所で何を取りにいくのか。

    そこを考え切れていなかった。

    高校時代もそうだった。

    野球をやっていたとき、僕はエースナンバーを勝ち取った。

    でも、矢印は自分に向いていなかった。

    あいつより自分の方が練習している。

    あいつは全然走らない。

    なんであいつが評価されるんだ。

    そんなふうに、ずっと相手を見ていた。

    本当に考えるべきことは別だった。

    このチームで、自分はどう活躍するのか。

    自分の強みをどう生かすのか。

    何を伸ばせば、もっと勝てるのか。

    そこに向き合うべきだった。

    でも、できていなかった。

    環境や誰かのせいにすると、自分を正当化できる。

    気持ちは楽になる。

    でも、何も変わらない。

    転職は逃げではない。でも、考えない転職は逃げだ

    もう一度言う。

    転職は悪いことではない。

    むしろ、成功確率の高い場所に移ることは、かなり大事だ。

    適性のない場所で消耗し続ける必要はない。

    勝ち筋のない土俵で、自分を削り続ける必要もない。

    でも、何も考えずに転職するのは違う。

    今の環境がダメだから。

    上司が悪いから。

    会社が評価してくれないから。

    この理由だけで場所を変えても、同じことを繰り返す可能性が高い。

    転職先にも上司はいる。

    評価制度もある。

    理不尽なこともある。

    思った仕事が回ってこないこともある。

    そのとき、また同じように言うのか。

    この会社では成長できない。

    自分はもっと評価されるべきだ。

    上司ガチャに外れた。

    それでは何も変わらない。

    場所を変える前に、自分の勝ち筋を見ろ。


    転職する前に考えることは3つ

    転職したいと思ったら、まず3つ考えた方がいい。

    1. 今の自分に何ができるのか

    願望ではなく、事実で見る。

    自分は何を任されてきたのか。

    何で成果を出したのか。

    周りから何を期待されているのか。

    ここを曖昧にしたまま転職しても、自分の価値は上がらない。

    2. 自分は何に適性があるのか

    好き嫌いだけではない。

    得意不得意を見る。

    苦なく続けられることを見る。

    人より少ない努力で伸びやすいものを見る。

    ここを見ないと、また向いていない場所で戦うことになる。

    3. その場所で、成功するまで続けられるのか

    どれだけ適性があっても、続けなければ勝てない。

    勝てる場所を選ぶことと、勝つまでやること。

    この2つはセットだ。

    場所選びだけでは弱い。

    継続だけでも弱い。

    勝てる場所を選び、そこで勝つまでやる。

    それが一番強い。

    最後に

    「成功するまで続ければ成功する」

    これは正しい。

    でも、半分だけだ。

    成功したいなら、まず戦う場所を考えた方がいい。

    自分は何者なのか。

    何に適性があるのか。

    何なら勝てるのか。

    どこなら成功する土台を作れるのか。

    そこを考え切る。

    そのうえで、そこだと決めたなら、成功するまでやる。

    これしかない。

    今の場所で何とかしようとしすぎるのも違う。

    場所を変えれば勝手に評価されると思うのも違う。

    成功する方法は2つ。

    成功できる場所を探す。

    もしくは、その場所で成功するまで続ける。

    どちらを選ぶにしても、自分次第だ。

    本気で考えない人は、場所を変えても同じことを繰り返す。

    本気で考えた人だけが、自分の戦う場所を選べる。

    そして、そこで勝ち切れる。

  • 自責で生きる 〜変えられるものと変えられないもの〜

    自責で生きる 〜変えられるものと変えられないもの〜

    人生は他責にするな。
    自責で生きろ。

    いきなり強い言葉ですが、僕は本気でそう思っています。


    誰かのせいにして、人生は動いたか

    世の中を見ていると、誰かのせいにして止まっている人が多すぎます。

    夫が何もしてくれない。
    妻がわかってくれない。
    上司が悪い。
    部下が動かない。
    会社が悪い。
    環境が悪い。

    もちろん、本当に相手が悪いこともあります。
    理不尽なこともあります。
    全部自分が悪いなんて話ではありません。

    でも、それを言って人生は動きましたか。

    夫も妻も、それぞれやれることがある

    たとえば夫。

    妻が困っているときに、「自分には何ができるか」を本気で考えたことがありますか。

    家事をやっているつもり。
    仕事で疲れている。
    言われたらやる。

    それで本当に家庭が良くなるのか、という話です。

    逆に妻。

    夫が何もしないと嘆いているだけになっていませんか。

    「なんでわかってくれないの」と思う気持ちはわかります。
    でも、伝え方を変えたのか。
    期待値を合わせたのか。
    相手が動きやすい形にしたのか。

    これは、どっちが悪いかを決める話ではありません。

    夫が悪い。
    妻が悪い。
    上司が悪い。
    部下が悪い。

    そんな裁判をしても、現実は1ミリも変わりません。


    自責は、自分を責めることではない

    大事なのは、問題が起きたときに「自分には何ができるか」を考えることです。

    これが自責です。

    自責は、自分を責めることではありません。
    「自分が全部悪い」と背負い込むことでもありません。

    自分を責める人は、「自分はダメだ」で止まります。
    改善しません。
    それはただの自己否定です。

    自責で生きる人は違います。

    「自分にも何かできるかもしれない」

    そう考えて、次の一手を探します。


    職場でも、責任の押し付け合いが多すぎる

    仕事でも同じです。

    「あれは上司が言ったからやりました」
    「部下が動かないから成果が出ません」
    「あの人の仕事だから僕は知りません」

    こういう言葉が多すぎます。

    でも、本当にそれでいいのか。

    上司の指示が曖昧なら、確認すればいい。
    部下が動かないなら、伝え方を変えればいい。
    誰かの仕事だと思うなら、せめて一言声をかければいい。

    相手を変えることはできません。
    でも、自分の行動は変えられます。

    馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない。

    まさにこれです。

    相手が飲むかどうかは相手の問題です。
    でも、水辺に連れていく努力まで放棄するな、という話です。

    嘆くだけなら誰でもできます。
    責任を押し付けるだけなら簡単です。

    でも、それでは人生は何も動きません。

    問題が起きたら、まず考える。

    「自分には何ができるか」

    これだけでいいです。

    人生を変える起点は、いつもそこにあります。


    相手が変わる前提で考えるな

    ここで勘違いしてほしくないのは、相手に何も求めるなという話ではないことです。

    夫婦なら、ちゃんと話し合えばいい。
    仕事なら、役割分担を明確にすればいい。
    上司がおかしいなら、違和感を伝えればいい。
    部下が困っているなら、助ければいい。

    でも、その前にやることがあります。

    相手が変わる前提で考えるな、ということです。

    夫が変わってくれたら。
    妻が察してくれたら。
    上司が優秀だったら。
    部下が自走してくれたら。
    会社がもっとまともだったら。

    その気持ちはわかります。

    でも、そこに人生を預けるな。

    相手が変わるかどうかは、相手の領域です。
    自分ではコントロールできません。

    だから、自分の領域に戻る。

    自分は何を伝えるのか。
    自分は何を確認するのか。
    自分はどんな行動を変えるのか。
    自分はどこまでやって、どこから先は手放すのか。

    これを考える。

    自責で生きるというのは、こういうことです。

    自分を責めることではない。
    相手を許し続けることでもない。
    理不尽を我慢することでもない。

    自分が動かせるものを、最後まで見捨てないことです。

    他責で生きる方が楽。でも人生は動かない

    正直、他責で生きる方が楽です。

    文句を言っていれば、自分は傷つかない。
    誰かのせいにしていれば、自分は変わらなくていい。
    環境のせいにしていれば、挑戦しなくていい。

    でも、その楽さには代償があります。

    人生が動かない。

    これです。

    人生を動かしたいなら、まず問いを変えるしかありません。

    「誰が悪いのか」ではなく、
    「自分には何ができるのか」。

    この問いを持てる人だけが、次の一手を出せます。

    そして、次の一手を出せる人だけが、現実を少しずつ変えていけます。

  • 正解を探す生き方はやめよう〜100点の呪縛〜

    正解を探す生き方はやめよう〜100点の呪縛〜

    学校にいる間、ずっと100点を目指していました。

    問題があれば、正解がある。
    勉強すれば、点数が上がる。
    テストには、必ず答えがある。

    でも社会に出たとき、気づいたんです。

    そもそも、問題用紙が存在しない。


    正解がある世界から、正解がない世界へ

    義務教育は、「正解を出す人間」を育てる場所です。

    • 与えられた問いに答える。
    • 上が言ったことをこなす。
    • 評価される行動をとる。

    それが求められてきました。

    でも社会に出たら、誰も問題用紙を配ってくれません。
    何が正解かも、誰も教えてくれません。

    それなのに、「どうやったらいいですか?」「何が正解ですか?」と聞き続ける社会人があまりにも多いと感じています。

    正解を探しているうちは、いつまで経っても動けません。


    自分が決めたことを正解にする

    正解がない世界で成果を出している人には、共通点があります。

    自分が決めたこと、を正解にしている。

    よく聞く起業家や優秀なビジネスパーソンの話として、「今あるリソースの中から最適なものを選ぶ」のではなく、「理想からリソースを作っていく」という考え方があります。

    つまりこういうことです。

    • ❌ リソースからの積み上げ → 「今の自分にできること」から考える → 思考がそこで止まる
    • ⭕ 理想からの逆算 → 「どうなりたいか」を先に決める → 必要なものを集める

    リソースから考える人は、知らないうちに自分でキャップを作ってしまいます。


    ノミと茹でガエルが示すもの

    ノミのジャンプ力は、その身体の何十倍もあります。

    でも蓋をされた瓶の中で育てたノミは、蓋を取っても、その高さまでしか飛ばなくなります。「自分の限界はここだ」と思い込んでしまうんです。

    茹でガエルの話は有名ですが、熱いお湯にカエルを放り込むと飛び出そうとする。
    でも冷たい水からじわじわ温めていくと、気づかないまま死んでしまう。

    人間も同じです。

    環境に必ず染まる生き物で、じわじわと自分を蝕んでいるものに、なかなか気づけません。

    義務教育で「正解を出すように仕向けられてきた」環境の中にいると、社会に出たときに困ります。僕自身も、そのような苦しさを経験しました。

    学校にいるときから、部活をしているときから、
    「目的は何か」「どこにリソースを集中させれば理想に近づけるか」
    を考える習慣をつけておくべきだった、と今は思っています。


    AIが100点を取れる時代に、人間に必要なこと

    AIが東大の入試に合格できるレベルになってます。
    これだけAIが賢くなってきた今、知識や情報を持っているだけでは差がつきません。
    勉強ができることや、知識が豊富なことは、なんの価値も生まなくなくなるかもしれません。

    100点の答えを出すことは、AIにもできるようになってきています。

    だとすれば、人間に求められるのは何か。

    それは、「問いを立てる力」と「意思決定力」 だと思っています。

    ただ、問いを立てる前に、まず必要なことがあります。

    「自分はどうありたいのか」を決めること。

    どうありたいのかが決まって初めて、「なぜこれを解かなければいけないのか」という問いが生まれます。
    その問いがあって初めて、「どう解くべきか」という戦略が立てられる。

    義務教育は「与えられた問いを解く」場所でした。
    でもこれからは、問い自体を自分で作れる人が、圧倒的に強くなります。

    具体的には、こういう順番です。

    1. どうありたいのかを意思決定する(理想を先に決める)
    2. 問いを立てる(「なぜこれを解くのか」「どう解くべきか」を考える)
    3. 具体的なHowはAIに任せる

    正解を探すのではなく、理想を自分で決める。
    その理想に向かって、どう戦うかという問いを立てる。
    そして、具体的な実行はAIを使い倒す。

    これが、これからの生き方だと僕は思っています。


    60点でいい、ただし「自分で決めた正解」をスピード感を持ってやること

    誤解してほしくないんですが、100点を諦めようと言いたいわけではありません。

    「社会が用意した正解(100点)」を目指すのをやめよう、という話です。

    60点でもいいから、自分なりの答えをスピード感を持って動かしていく。
    正解を探し続けて立ち止まるくらいなら、自分で決めた60点を今すぐ走らせる方がずっといい。

    そして、これが大事なんですが、自分で決めたことを正解にしていくと、それが必然的に100点になっていきます。

    一種の自己暗示です。

    「これが正解だ」と決めてコミットした人間は、その道を正解にするために動き続けます。
    迷わないから、スピードが出る。スピードが出るから、改善のサイクルが速くなる。
    結果として、他人が探し続けた「正解」よりも高い場所に辿り着く。

    逆転を狙わなくていいわけじゃない。
    「正解」というものを、自分で定義していいんです。


    最後に

    この発信は、僕の根幹でもあります。

    僕がこういう働き方や考え方を発信するのは、

    • 将来の家族のために素敵な時間を投下できるようにしたいから。
    • 子どもがやりたいと言ったことを、ちゃんとできるように資産を作りたいから。
    • 金銭的な豊かさと、時間的な豊かさを両方作ることが必要だと思っているから。

    これから社会に出る人たちも、今働いている人たちも、必ずぶつかるのが 「問いを立てる能力」と「意思決定力」の2つです。

    義務教育で与えられた正解を解くための教育ではなく、自分で正解への問いを立て、自分で正解を意思決定できる力をつけていく。

    そのための発信を、これからも続けていきます。

  • 部下の「強み」を活かせていますか?——マネジメントのHOWを語る

    部下の「強み」を活かせていますか?——マネジメントのHOWを語る

    あなたは部下いますか?
    部下がいるなら、必ずこれを読んでください。


    マネジメントの役割を、一言で説明できますか?

    もし説明できるなら、この記事は特に読まなくても大丈夫です。

    僕の考えを言うと、
    マネジメントとは

    「組織に必要な役割を人に与え、成果を出させること」

    だと思っています。

    顧客を考えること、目標を立てること、戦略を描くこと、組織すること——全ては成果からの逆算です。

    役割としてはまだまだある。今回はその中でも、成果を出させるために、部下・メンバーの強みをどう活かすかという話に絞って書いていきます。

    正直、マネジメントは深い。人によって解釈が異なる部分もあるし、議論の余地がたくさんあります。さまざまな意見を言い合うことで、理解がより深まる領域だと思っています。異なる意見も、ぜひ聞かせてください。

    ただ、28〜29歳でそれなりの人数を見て、組織してきた中で得られたものを、これからマネジメントに挑戦する人のために共有できたらと思っています。


    あなたのチームは、正しく動いていますか?

    部下がいるなら、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

    • そのメンバーの強みは、今の仕事で本当に活きていますか?
    • メンバーの強みを、ちゃんと理解していますか?
    • そしてそれを、言語化できますか?

    メンバーの強みが活きない仕事ばかりになっているなら、それは配置が適切ではありません。

    もし強みは理解しているが、うまく活かせていないなら、それは仕事の渡し方の問題です。渡し方一つで、成果は大きく変わります。

    もし既にこれらを意識できているなら、全く問題ありません。そのまま続けてください。

    でも少しでも「うーん……」と思ったなら、このまま読み進めてください。


    苦手なことをやらせ続けるのは、マネジメントじゃない

    マネジメントをするうえで、僕が最も意識していること。

    「この人は何が得意で、何が苦手か」——これだけです。

    苦手なことをひたすらやらされ続けるのは、単純につらい。成果も出ない。モチベーションも落ちる。それはマネジメントの原則に真っ向から反しています。

    逆に、強みが活きる環境に置かれたメンバーは、放っておいても動きます。成果を出します。仕事が楽しくなります。

    管理する側の本質的な仕事は「指示を出すこと」ではなく、「各人の強みが最大限に発揮される状況をつくること」です。


    強みは「スキル」だけじゃない——スタンスが強みになる

    ここで多くのマネージャーが見落としているポイントがあります。

    人間にはアイスバーグ理論があります。見えているのは氷山の一角——表面に出ているのは結果だけです。その下には、スキル、行動特性、価値観や哲学、コンピテンシーといったものが隠れています。

    どこまで深く見られるかはマネジメントの技量によります。ただ、相手を見ようとする姿勢と、日々の行動を観察することで、多くのことは判断できるはずです。

    「資料作成が得意」「数字に強い」——確かに強みです。でも、それだけが強みじゃない。

    スタンスや特徴そのものが、強みになります。

    • 責任感が強い
    • とりあえずやってみる推進力がある
    • 細部まで確認してから動く慎重さがある

    特に新卒に多いパターンです。スキル的な武器はまだない。でも、スタンス的な強みは確実にある。

    もちろん、最初からメンバー全員の強みを完全に理解できているマネージャーは少ない。色々な仕事を一緒にやっていく中で、「この人の強みはここにある」「自分の強みはここにある」と少しずつ理解していく——それがマネジメントに求められることです。

    この場合のマネジメントの基本は、そのスタンスが活きる仕事の振り方を設計することです。


    実際に僕のチームで起きていること

    僕は今、新卒5人ほどのチームをマネジメントしています。

    メンバーそれぞれの動き方は、はっきり違います。

    細かく質問してきて、全部解消されないと動けないタイプには、仕事をNotionに分解して渡しています。目的は何か、実際にやってほしいことは何か、使うツールは何か——そこまで具体的に落とし込んで渡す。

    そして最後にこう伝えます。

    「あなたにはこの分解の仕方を自分でできるようになってほしい。高次の目的から考える習慣をつけてください」と。

    仕事を渡しながら、成長の方向も同時に示す。

    責任の所在さえ明確にすれば動けるタイプには、こう渡します

    「これはあなたのオーナーです。進め方は任せます。わからない点があれば聞いてください」

    ——責任とセットで役割を渡す。そうすると、わからないことは聞いてくるし、自分で判断できることはある程度進めて提案してくれる。

    これはスキルの差ではなく、本人のスタンスと特徴の差です。

    どちらが正しい、どちらが間違い、どちらが優秀、どちらが劣っている——そういう話では一切ありません。相手の強みを活かし、相手の特徴が自然に発揮される環境をつくること。それがこの章で伝えたいことです。

    なお、マネージャーとしてどちらのタイプが一緒に働きやすいか、という話は組織論の文脈で別途書きます。


    まとめ:マネジメントのHOW

    • マネジメントとは、組織に必要な役割を人に与え、成果を出させること
    • 苦手なことをやらせ続けるのはマネジメントではない
    • 強みはスキルだけでなく、スタンスや特徴も立派な強みになる
    • 強みが活きる「仕事の渡し方」を設計するのが、マネージャーの本質的な仕事

    もしこれらをすでに意識できているなら、全く問題ありません。

    ただ、「部下の強みをどう見極めればいいかわからない」「どう仕事を振ればいいか迷っている」という場合は、相談してください。対話しながら、いっしょに考えます。無料です。

    もちろん、人に聞くことと同じくらい大切なのが座学です。マネジメントは体系的に学ぶことで、一気に解像度が上がります。

    まずはドラッカーを読んでください。マネジメントの原点です。

    手軽に読みたい人はこちら
    マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則

    しっかり読みたい人はこちら
    ドラッカー名著集13 マネジメント[上] 課題、責任、実践

  • AI使えばいい、は大きな間違いです。

    AI使えばいい、は大きな間違いです。

    最近、こんな場面を見かけることが増えました。

    「AIに聞いたらこう出たので、これで進めます」

    確認もしない。自分では考えない。AIが言ったからそのまま出す。

    率直に言います。AI使えばいい、は大きな間違いです。


    最近AIを使う人が増えてきて、非常にいいことだと思っています。

    ただ、僕自体もまだそんなにAIを使いこなせてるわけじゃないんですけど、周りを見ていると、仕事ができる人とできない人でのAIの使い方の差が激しいなと感じています。

    今回は仕事ができない人がやりがちなAIの使い方を3つ紹介します。心当たりがある人はぜひ気をつけてください。


    1. AIの出力を疑わない

    AIは「正しいこと」を言っているわけじゃない

    AIは確率論で動いています。膨大なデータをもとに「次に来そうな言葉」を予測しているだけで、常に正しいことを言っているわけじゃないです。

    でも見た目がそれっぽいから、つい信じてしまう。これが一番怖い。

    「それっぽい間違い」はただの間違いより質が悪いです。パッと見で気づけないから、そのまま仕事に使ってしまう。

    「本当か?」を一度挟む

    「AIが言ってたから正しい」ではなく、「AIが言ってたけど本当か?」という視点を必ず挟む。

    これだけで、仕事の質がまったく変わります。


    2. 考える前にまず丸投げ

    丸投げ自体は悪くない

    「とりあえずAIに聞いてみる」は全然いいんです。たたき台を一瞬で作れるのはAIの強みです。

    問題は、自分で考える力がないまま丸投げすること

    自分の中に判断軸がないと、AIが出してきたものを疑えない。結果、1つ目と同じ話になります。

    思考停止がいちばん危ない

    AIを使い続けると、気づかないうちに「考える筋肉」が衰えていきます。

    難しいタスクに直面したとき、自分で考える前にAIに頼る癖がついてしまう。そういう人を、僕の周りでも最近よく見かけます。

    AIに投げる前に、「自分ならどう考えるか」を一度でも頭に置く。たったこれだけで、AIの使い方がまったく変わります。


    3. AIが言ったことをそのまま提出する

    これが一番多い。これおすぎる。

    AIが出したものをそのままコピペして提出する人、本当に多いです。

    でも、AIが出すのはあくまで参考点です。

    参考点を成果物にしてはいけない。そこから自分の付加価値をちゃんと考えて出すことが必要です。

    「あなたの仕事」じゃなくなる

    AIが書いたものをそのまま出した瞬間、それはもうあなたの仕事じゃないです。

    上司や取引先が評価しているのは、あなたの判断や視点です。AIの出力をそのまま渡しても、あなたの価値は何も伝わらない。

    むしろ、「この人はAIをそのまま出してきた」と気づかれた瞬間、信頼を失います。


    AIは「生産性を上げるための手段」

    まとめると、こういうことです。

    AIを使うのはいい。でも、AIに使われてはいけない。

    あくまでAIは生産性を上げるための一つの手段です。道具を使いこなすには、使う側に判断力が必要です。

    AIの専門家になる必要はないです。usutakuさんのように信頼できる情報を発信している人を追いながら、自分で考えながら使っていく。それが今の時代に必要なスキルだと思っています。

    ぜひ皆さん、気をつけてAIを使ってください。

  • なぜあなたの頑張りは評価されないのか?夫婦の不満から学ぶ、ビジネスにも活きる「すり合わせ」の技術

    なぜあなたの頑張りは評価されないのか?夫婦の不満から学ぶ、ビジネスにも活きる「すり合わせ」の技術

    はじめに:夫婦の悩みは、ビジネスの課題と同じ構造をしている

    • 妻が怒ってばかりいる。
    • 夫は何も手伝ってくれない。

    そう思っている皆さん、いませんか?

    きっとどの家庭においても、一度は耳にする話かと思います。

    さて、本当にそうなのでしょうか。
    そして、なぜそのようなすれ違いが起きてしまうのでしょうか。


    はじめに少し自己紹介をさせてください。

    私は新卒で7名規模のベンチャー企業に入社し、現在は100名超の組織でGM(ゼネラルマネージャー)を務めています。

    26歳で管理職となり、現在29歳。30名以上のマネジメント経験、採用の最終面接も担当しています。

    そんな私がなぜ、夫婦間の話をするのか。

    それは、この「すれ違い」の構造が夫婦間だけに留まらず、ビジネスの現場でも圧倒的に生きてくるテーマだからです。

    なぜ「自分ばかりやっている」と感じるのか?

    なぜこんな論争が起きるのか。まず結論からお話しします。

    「相手の目線が見えていないから」です。

    人間は、自分の見えている範囲でしか物事を判断できません。ただ、それだけなのです。

    つまり、皆さんが「自分ばかりやっている」と感じているとき、相手も全く同じことを思っている可能性が高いと言えます。

    皆さんの見えない範囲で、相手は頑張っています。そして、相手の見えない範囲で、皆さんも頑張っているのです。

    ただ、それがお互いに「見えていない」だけなのです。

    「誰も評価してくれない」と嘆くビジネスパーソンの共通点

    これは夫婦間だけの話ではありません。

    頑張っているのに、誰も評価してくれない」と感じている職場での悩みも、構造はまったく同じです。

    自分が一生懸命やった仕事が評価されない。なぜでしょうか。

    それは、相手(上司・会社・顧客)が求めていることと、皆さんが「これでいいだろう」と思ってやったことが、ズレているからです。

    頑張りの軸が「自分」にある。それだけが問題なのです。

    「相手が何もやってくれない」と感じている夫婦と、「誰も評価してくれない」と感じているビジネスパーソン。

    この二つの悩みは、まったく同じ課題から生まれています。

    解決策は「すり合わせ」にしかない

    では、どうすればいいのか。

    相手の気持ちを完全に理解しよう」と思う必要はありません。それは正直、不可能です。無理です。相手じゃないので。

    どれだけ近しい相手でも、夫婦であっても、長年の同僚であっても、相手の頭の中を完全に把握することはできません。

    だからこそ、「すり合わせ」が必要になります。

    相手が何を求めているのか、聞く。

    自分が何をやっているのか、伝える。

    それだけでいいのです。

    伝えずに、「なんでわかってくれないんだ」というのは、最も生産性のない感情です。

    言わなくてもわかってもらえる関係など、存在しません。
    仕事でも、夫婦でも同じです。

    • わかってもらいたければ、伝える。
    • 相手を理解したければ、聞く。

    その繰り返しが、評価される仕事を作り、うまくいく人間関係を作ります。

    「伝える」とは「相手に伝わる」こと

    ただし、ここで一つ重要なことがあります。

    「伝える」とは、自分が言いたいことを言うことではありません。相手に伝わって初めて「伝える」ということです。

    自分の言葉で話すだけでは、結局また「自分の見えている範囲」でしかコミュニケーションしていないことになります。

    相手がわかる言葉で、相手が受け取れる形で伝える。
    相手が本当に求めていることを、ちゃんと聞く。

    それが、すり合わせの本質です。

    厳しい現実:向き合わない相手とは距離を置く

    また、別で、一つ厳しいことをお伝えします。

    こちらが歩み寄ろうとしているのに、相手が話そうとしない。聞こうとしない。

    そういう関係は、今すぐ終わらせた方がいいです。

    向き合おうとしているのに、向き合わない。その選択を相手がとるなら、その関係はすでに崩壊しています。

    夫婦であっても、上司と部下であっても、会社との関係であっても。

    すり合わせる気のない相手に、これ以上のエネルギーを使う必要はありません。

    具体的な3つのアクション

    では、具体的に何をすればいいのでしょうか。3つに絞ってお話しします。

    ① 期待値をすり合わせる時間を作る

    相手が何を期待しているのか。自分が何に不満を感じているのか。
    これをちゃんと言葉にして伝える場を、意識的に作ることが必要です。

    ポイントは、喧嘩の場にしないこと。

    「あなたがこうだから」と責めるのではなく、「私はこういうことを期待しています」「こうなってほしいと思っています」という形で、具体的に伝えましょう。

    そして、相手の期待値もちゃんと聞く。もしその期待値が自分には難しいなら、それも伝える。

    期待値がどうしても合わないなら、それはそもそも価値観がずれているサインです。

    仕事においても同じです。

    上司は何を期待しているのか。取引先は何を期待して仕事を振っているのか。

    少なくともその期待に応え、できれば上回る。それがビジネスの基本です。

    夫婦間でこの論争が起きやすいのは、「お金」という明確な基準がないからです。

    だからこそ、意識的に「すり合わせの時間」を習慣として設けることが大切になります。

    ② 相手をちゃんと尊重する

    夫婦であっても、上司と部下であっても、関係は対等です。

    お金を払っているからといってクライアントが何をしてもいいわけではないし、夫婦間においても、どちらかが上でどちらかが下ということはありません。

    相手を、一人の人間として見ること。一緒に生きる・働く人間として、リスペクトを持って接すること。

    具体的なアクションとして、すり合わせの場を始める前に「この時間は対等な話し合いの時間だ」と意識するトリガーを一つ作るといいです。握手でも、深呼吸でも何でも構いません。

    リスペクトを忘れた瞬間、すり合わせは喧嘩になります。

    ③ 言葉の定義を揃える

    「普通はこうだろう」は、最も危険な言葉です。

    育った環境が違えば、普通は違います。国が違えば文化も違うし、家庭が違えば常識も違います。

    「普通」「当たり前」「みんなそうしてる」は、自分の見えている範囲を相手に押し付けているだけです。

    だから、話すときは必ず主語を「私」にしてください。

    • 「普通はこうだから」ではなく、「私はこう思います」。
    • 「みんなそうしてる」ではなく、「私はこうしてほしいです」。

    その関係の中での「普通」を、二人で作り上げていく。

    それが、すれ違いをなくす一番の近道です。

    まとめ~あなたの頑張りを、ちゃんと届けるために~

    「相手が何もやってくれない」も、「頑張っているのに誰も評価してくれない」も、根っこにある課題はまったく同じです。

    自分の見えている範囲でしか、物事を判断できていない。ただ、それだけです。

    相手を完全に理解することは不可能です。だからこそ、すり合わせが必要になります。

    期待値を伝える。相手の期待値を聞く。

    相手がわかる言葉で伝える。

    「普通」ではなく「私は」を主語にする。

    これができるだけで、仕事の評価も、人間関係も、驚くほど変わっていきます。

    皆さんの頑張りが、ちゃんと相手に届くものになりますように。

  • 自己効力感を創る~折れそうな人をS級人材に引き上げた話~

    自己効力感を創る~折れそうな人をS級人材に引き上げた話~

    「もう自分、ダメかもしれないです」

    あるとき、1on1で部下からこう言われた。

    「もう自分ダメかもしれません。この業務を下りたいです。新庄さんはどういうふうにこういう辛さを乗り越えてきたんですか?このままだと僕ダメだと思います」

    マネジャーをやっていれば、必ずこういう場面に直面する。

    正直に答えると、自分の乗り越え方は「とにかくストレスをかけ続けて麻痺させる。そしていつかできると信じて動き続ける」というものだった。でも、その瞬間に気づいた。——それは再現性がない、と。

    自分にできたのは、今まで積み上げてきた経験や感覚があったからだ。それを同じようにやれ、とは言えない。


    折れそうな人材に本当に欠けていたもの

    年上から年下まで、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーをマネジメントしてきた。その中で、折れそうな社員に共通して欠けているものに気づいた。

    それは、自己効力感だ。

    「自分だったら何とかできる」という感覚。これがない。

    自己効力感というのは、ある程度の能力・武器・これまでの経験があるからこそ持てるものだ。それがない人たちにとっては、もちろん難しい。今まで経験してこなかった人たちにとっては、圧倒的に難しかった。

    だから自分がやったのは、「業務を下ろすのではなく、補佐として入りながら自己効力感を高めていく」という方法だった。

    自分のマネジメントを進めながら、一方ではスキルを伸ばしていく。「こういうふうに進めたらいいんだ」という感覚を掴んでもらえるようなマネジメントを始めた。

    その核となったのが、3冊の本だ。


    3冊の本という「武器」

    1冊目:世界一やさしい問題解決の授業(渡辺健介)

    この本を選んだ理由は、課題解決の思考法が体系的にまとまっていて、誰でも使えるように書かれているからだ。

    MECEというフレームワーク、ロジックツリーというフレームワーク、そして「課題→原因→解決策→検証」という具体的なPDCAの流れが、さまざまな具体例を用いて解説されている。自分の業務に当てはめて考えやすいのが、この本の大きな特徴だ。

    重要なのは、読書させることが目的ではなかったという点だ。

    この本の使い方は「辞書」であり「物差し」だ。

    まっすぐ線を引きたいと思ったとき、定規を取り出すように——仕事で詰まったとき、「このケースはどう考えればいいんだ?」と思ったとき、この本を開いてそのページを見れば、「こういうふうに考えればいい、次のステップはこれだ」とわかる。辞書でわからない言葉が出てきたときにそのページを開くのと同じ感覚だ。

    そういうリファレンスとして、最も分かりやすい本として選書した。

    思考の道具を手に入れると、それだけで「やりようがある」という感覚が生まれる。自己効力感の第一歩はここから始まった。


    2冊目:コンサル1年目が学ぶこと

    仕事ができる人の考え方と、仕事の基本的な進め方がすべて書かれている本だ。

    たとえば、こういうことが書かれている。

    • 結論から話す
    • 直球で話す
    • 数字というファクトで語る
    • 相手のフォーマットに合わせる
    • 相手のことをとにかく考える
    • 期待値を超える
    • 事実と意見を分ける
    • 仮説思考を持つ
    • 本質を見極める
    • 自分の時給を意識する
    • スピードと質を両立する
    • 喋らない会議には出ない

    超基礎的な話ではある。だが、これを本当にできている人は驚くほど少ない。そして、これができるようになれば、ある程度仕事ができる人間になれる。さらに、できることが増えていくにつれて、自信がついていく。自己効力感が育っていく。だからこそこの本を選んだ。

    実際に読んでもらった結果、まず「働くとはどういうことか。価値を出すとはどういうことか」が腹落ちした。

    それまで受け身だった動き方が、目的意識を持ち、「その目的に向けて何が必要なのか」を仮説思考で自分で考えながら動く自走型に変わっていった。

    会議や議論の中でも積極的に発言するようになった。しかもその発言が、常に結論ファースト。事実と意見の切り分けがちゃんとできている。「仕事ができる人材」の姿が、少しずつ現れ始めた。


    3冊目:USJを劇的に変えたたった一つの考え方

    3冊の中で、最も効果があった本だ。

    この本が与えたのは2つの思考法——戦略思考消費者視点だ。

    ビジネスというのは、「目的→目標→戦略→戦術」という流れで動く。目的を達成するために目標を置き、その目標を達成するためにどこに注力するかという戦略を立て、戦略が決まったら具体的に何をするかという戦術を考えていく。

    この流れを、そもそも理解できていなかった。

    社長とのコミュニケーションの中で、こういった話が頻繁に出てくる。だが、言葉は聞こえていても概念として理解できていない状態だと、会話の中身が入ってこない。まずは言葉を理解し、概念を理解するところから始まった。

    この本を通じて、戦略思考の流れを掴んだ上で、普段の業務に落とし込めるようになっていった。

    「この戦略は何か?」「何が最も重要なのか?」「どこに投資すべきなのか?」

    そして特に大きかったのが、重心思考だ。具体的に一番注力しなければいけないところはどこなのか——それを見極める思考法を手に入れた。これによって、打ち手の質が一段上がった。

    そしてその頂点にあるのが、消費者・顧客のことを考えるという視点だ。どんなビジネスパーソンであっても、相手のことを考えて動くことは絶対にやらなければいけない。この本は、戦略思考と顧客視点をセットでインストールしてくれる。

    重心思考と戦略思考——この2つを部下に伝えられるようになったことが、この本が最も効果的だったと感じる最大の理由だ。


    変化の全貌

    最初の状態:「もうダメかもしれない」と1on1で打ち明ける。自己効力感ゼロ。業務を下りたいと言っていた人間だ。

    3冊を経てどう変わったか。

    思考面:目的ドリブンで仕事をしながら、戦略的に重心思考ができるようになった。これが圧倒的に違う。

    行動面:今までだったら、会議で恐れおののいて発言できなかった。意見を求められても、ちゃんと自分の意見が言えなかった。それが、自分なりの課題意識を持ち、相手が誰であっても正直に物事を伝えることができるようになった。しかもその内容が、かなりクリティカルな情報として伝えられるレベルになっていた。

    現在:営業組織の中で、独立遊軍的なポジションを任されている。一人で施策をバンバン回している。

    これがS級人材への変化だ。


    マネジャーへ

    折れそうな部下を前にして、「自分の乗り越え方を教える」のは最もやってはいけないことだ。再現性がないからだ。

    自分がストレスに耐えて麻痺することで乗り越えてきたとして、それを同じようにやれとは言えない。

    やるべきは、その人が「自分にもできる」と感じられる体験を少しずつ積み上げること。そのための武器を渡すこと。

    3冊の本は、その武器だった。

    • 思考の辞書を持たせる
      (世界一やさしい問題解決の授業)
    • 仕事の基礎を体得させる
      (コンサル1年目が学ぶこと)
    • 戦略思考と顧客視点をインストールする
      (USJを劇的に変えたたった一つの考え方)

    自己効力感は、教えられるものではない。育つものだ。

    武器を渡し、補佐として並走しながら、小さな成功体験を積み重ねる。それが、折れそうな社員をS級人材に変える唯一の道だと、自分は思っている。