カテゴリー: マネジメント

  • 部下の「強み」を活かせていますか?——マネジメントのHOWを語る

    部下の「強み」を活かせていますか?——マネジメントのHOWを語る

    あなたは部下いますか?
    部下がいるなら、必ずこれを読んでください。


    マネジメントの役割を、一言で説明できますか?

    もし説明できるなら、この記事は特に読まなくても大丈夫です。

    僕の考えを言うと、
    マネジメントとは

    「組織に必要な役割を人に与え、成果を出させること」

    だと思っています。

    顧客を考えること、目標を立てること、戦略を描くこと、組織すること——全ては成果からの逆算です。

    役割としてはまだまだある。今回はその中でも、成果を出させるために、部下・メンバーの強みをどう活かすかという話に絞って書いていきます。

    正直、マネジメントは深い。人によって解釈が異なる部分もあるし、議論の余地がたくさんあります。さまざまな意見を言い合うことで、理解がより深まる領域だと思っています。異なる意見も、ぜひ聞かせてください。

    ただ、28〜29歳でそれなりの人数を見て、組織してきた中で得られたものを、これからマネジメントに挑戦する人のために共有できたらと思っています。


    あなたのチームは、正しく動いていますか?

    部下がいるなら、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

    • そのメンバーの強みは、今の仕事で本当に活きていますか?
    • メンバーの強みを、ちゃんと理解していますか?
    • そしてそれを、言語化できますか?

    メンバーの強みが活きない仕事ばかりになっているなら、それは配置が適切ではありません。

    もし強みは理解しているが、うまく活かせていないなら、それは仕事の渡し方の問題です。渡し方一つで、成果は大きく変わります。

    もし既にこれらを意識できているなら、全く問題ありません。そのまま続けてください。

    でも少しでも「うーん……」と思ったなら、このまま読み進めてください。


    苦手なことをやらせ続けるのは、マネジメントじゃない

    マネジメントをするうえで、僕が最も意識していること。

    「この人は何が得意で、何が苦手か」——これだけです。

    苦手なことをひたすらやらされ続けるのは、単純につらい。成果も出ない。モチベーションも落ちる。それはマネジメントの原則に真っ向から反しています。

    逆に、強みが活きる環境に置かれたメンバーは、放っておいても動きます。成果を出します。仕事が楽しくなります。

    管理する側の本質的な仕事は「指示を出すこと」ではなく、「各人の強みが最大限に発揮される状況をつくること」です。


    強みは「スキル」だけじゃない——スタンスが強みになる

    ここで多くのマネージャーが見落としているポイントがあります。

    人間にはアイスバーグ理論があります。見えているのは氷山の一角——表面に出ているのは結果だけです。その下には、スキル、行動特性、価値観や哲学、コンピテンシーといったものが隠れています。

    どこまで深く見られるかはマネジメントの技量によります。ただ、相手を見ようとする姿勢と、日々の行動を観察することで、多くのことは判断できるはずです。

    「資料作成が得意」「数字に強い」——確かに強みです。でも、それだけが強みじゃない。

    スタンスや特徴そのものが、強みになります。

    • 責任感が強い
    • とりあえずやってみる推進力がある
    • 細部まで確認してから動く慎重さがある

    特に新卒に多いパターンです。スキル的な武器はまだない。でも、スタンス的な強みは確実にある。

    もちろん、最初からメンバー全員の強みを完全に理解できているマネージャーは少ない。色々な仕事を一緒にやっていく中で、「この人の強みはここにある」「自分の強みはここにある」と少しずつ理解していく——それがマネジメントに求められることです。

    この場合のマネジメントの基本は、そのスタンスが活きる仕事の振り方を設計することです。


    実際に僕のチームで起きていること

    僕は今、新卒5人ほどのチームをマネジメントしています。

    メンバーそれぞれの動き方は、はっきり違います。

    細かく質問してきて、全部解消されないと動けないタイプには、仕事をNotionに分解して渡しています。目的は何か、実際にやってほしいことは何か、使うツールは何か——そこまで具体的に落とし込んで渡す。

    そして最後にこう伝えます。

    「あなたにはこの分解の仕方を自分でできるようになってほしい。高次の目的から考える習慣をつけてください」と。

    仕事を渡しながら、成長の方向も同時に示す。

    責任の所在さえ明確にすれば動けるタイプには、こう渡します

    「これはあなたのオーナーです。進め方は任せます。わからない点があれば聞いてください」

    ——責任とセットで役割を渡す。そうすると、わからないことは聞いてくるし、自分で判断できることはある程度進めて提案してくれる。

    これはスキルの差ではなく、本人のスタンスと特徴の差です。

    どちらが正しい、どちらが間違い、どちらが優秀、どちらが劣っている——そういう話では一切ありません。相手の強みを活かし、相手の特徴が自然に発揮される環境をつくること。それがこの章で伝えたいことです。

    なお、マネージャーとしてどちらのタイプが一緒に働きやすいか、という話は組織論の文脈で別途書きます。


    まとめ:マネジメントのHOW

    • マネジメントとは、組織に必要な役割を人に与え、成果を出させること
    • 苦手なことをやらせ続けるのはマネジメントではない
    • 強みはスキルだけでなく、スタンスや特徴も立派な強みになる
    • 強みが活きる「仕事の渡し方」を設計するのが、マネージャーの本質的な仕事

    もしこれらをすでに意識できているなら、全く問題ありません。

    ただ、「部下の強みをどう見極めればいいかわからない」「どう仕事を振ればいいか迷っている」という場合は、相談してください。対話しながら、いっしょに考えます。無料です。

    もちろん、人に聞くことと同じくらい大切なのが座学です。マネジメントは体系的に学ぶことで、一気に解像度が上がります。

    まずはドラッカーを読んでください。マネジメントの原点です。

    手軽に読みたい人はこちら
    マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則

    しっかり読みたい人はこちら
    ドラッカー名著集13 マネジメント[上] 課題、責任、実践

  • なぜあなたの頑張りは評価されないのか?夫婦の不満から学ぶ、ビジネスにも活きる「すり合わせ」の技術

    なぜあなたの頑張りは評価されないのか?夫婦の不満から学ぶ、ビジネスにも活きる「すり合わせ」の技術

    はじめに:夫婦の悩みは、ビジネスの課題と同じ構造をしている

    • 妻が怒ってばかりいる。
    • 夫は何も手伝ってくれない。

    そう思っている皆さん、いませんか?

    きっとどの家庭においても、一度は耳にする話かと思います。

    さて、本当にそうなのでしょうか。
    そして、なぜそのようなすれ違いが起きてしまうのでしょうか。


    はじめに少し自己紹介をさせてください。

    私は新卒で7名規模のベンチャー企業に入社し、現在は100名超の組織でGM(ゼネラルマネージャー)を務めています。

    26歳で管理職となり、現在29歳。30名以上のマネジメント経験、採用の最終面接も担当しています。

    そんな私がなぜ、夫婦間の話をするのか。

    それは、この「すれ違い」の構造が夫婦間だけに留まらず、ビジネスの現場でも圧倒的に生きてくるテーマだからです。

    なぜ「自分ばかりやっている」と感じるのか?

    なぜこんな論争が起きるのか。まず結論からお話しします。

    「相手の目線が見えていないから」です。

    人間は、自分の見えている範囲でしか物事を判断できません。ただ、それだけなのです。

    つまり、皆さんが「自分ばかりやっている」と感じているとき、相手も全く同じことを思っている可能性が高いと言えます。

    皆さんの見えない範囲で、相手は頑張っています。そして、相手の見えない範囲で、皆さんも頑張っているのです。

    ただ、それがお互いに「見えていない」だけなのです。

    「誰も評価してくれない」と嘆くビジネスパーソンの共通点

    これは夫婦間だけの話ではありません。

    頑張っているのに、誰も評価してくれない」と感じている職場での悩みも、構造はまったく同じです。

    自分が一生懸命やった仕事が評価されない。なぜでしょうか。

    それは、相手(上司・会社・顧客)が求めていることと、皆さんが「これでいいだろう」と思ってやったことが、ズレているからです。

    頑張りの軸が「自分」にある。それだけが問題なのです。

    「相手が何もやってくれない」と感じている夫婦と、「誰も評価してくれない」と感じているビジネスパーソン。

    この二つの悩みは、まったく同じ課題から生まれています。

    解決策は「すり合わせ」にしかない

    では、どうすればいいのか。

    相手の気持ちを完全に理解しよう」と思う必要はありません。それは正直、不可能です。無理です。相手じゃないので。

    どれだけ近しい相手でも、夫婦であっても、長年の同僚であっても、相手の頭の中を完全に把握することはできません。

    だからこそ、「すり合わせ」が必要になります。

    相手が何を求めているのか、聞く。

    自分が何をやっているのか、伝える。

    それだけでいいのです。

    伝えずに、「なんでわかってくれないんだ」というのは、最も生産性のない感情です。

    言わなくてもわかってもらえる関係など、存在しません。
    仕事でも、夫婦でも同じです。

    • わかってもらいたければ、伝える。
    • 相手を理解したければ、聞く。

    その繰り返しが、評価される仕事を作り、うまくいく人間関係を作ります。

    「伝える」とは「相手に伝わる」こと

    ただし、ここで一つ重要なことがあります。

    「伝える」とは、自分が言いたいことを言うことではありません。相手に伝わって初めて「伝える」ということです。

    自分の言葉で話すだけでは、結局また「自分の見えている範囲」でしかコミュニケーションしていないことになります。

    相手がわかる言葉で、相手が受け取れる形で伝える。
    相手が本当に求めていることを、ちゃんと聞く。

    それが、すり合わせの本質です。

    厳しい現実:向き合わない相手とは距離を置く

    また、別で、一つ厳しいことをお伝えします。

    こちらが歩み寄ろうとしているのに、相手が話そうとしない。聞こうとしない。

    そういう関係は、今すぐ終わらせた方がいいです。

    向き合おうとしているのに、向き合わない。その選択を相手がとるなら、その関係はすでに崩壊しています。

    夫婦であっても、上司と部下であっても、会社との関係であっても。

    すり合わせる気のない相手に、これ以上のエネルギーを使う必要はありません。

    具体的な3つのアクション

    では、具体的に何をすればいいのでしょうか。3つに絞ってお話しします。

    ① 期待値をすり合わせる時間を作る

    相手が何を期待しているのか。自分が何に不満を感じているのか。
    これをちゃんと言葉にして伝える場を、意識的に作ることが必要です。

    ポイントは、喧嘩の場にしないこと。

    「あなたがこうだから」と責めるのではなく、「私はこういうことを期待しています」「こうなってほしいと思っています」という形で、具体的に伝えましょう。

    そして、相手の期待値もちゃんと聞く。もしその期待値が自分には難しいなら、それも伝える。

    期待値がどうしても合わないなら、それはそもそも価値観がずれているサインです。

    仕事においても同じです。

    上司は何を期待しているのか。取引先は何を期待して仕事を振っているのか。

    少なくともその期待に応え、できれば上回る。それがビジネスの基本です。

    夫婦間でこの論争が起きやすいのは、「お金」という明確な基準がないからです。

    だからこそ、意識的に「すり合わせの時間」を習慣として設けることが大切になります。

    ② 相手をちゃんと尊重する

    夫婦であっても、上司と部下であっても、関係は対等です。

    お金を払っているからといってクライアントが何をしてもいいわけではないし、夫婦間においても、どちらかが上でどちらかが下ということはありません。

    相手を、一人の人間として見ること。一緒に生きる・働く人間として、リスペクトを持って接すること。

    具体的なアクションとして、すり合わせの場を始める前に「この時間は対等な話し合いの時間だ」と意識するトリガーを一つ作るといいです。握手でも、深呼吸でも何でも構いません。

    リスペクトを忘れた瞬間、すり合わせは喧嘩になります。

    ③ 言葉の定義を揃える

    「普通はこうだろう」は、最も危険な言葉です。

    育った環境が違えば、普通は違います。国が違えば文化も違うし、家庭が違えば常識も違います。

    「普通」「当たり前」「みんなそうしてる」は、自分の見えている範囲を相手に押し付けているだけです。

    だから、話すときは必ず主語を「私」にしてください。

    • 「普通はこうだから」ではなく、「私はこう思います」。
    • 「みんなそうしてる」ではなく、「私はこうしてほしいです」。

    その関係の中での「普通」を、二人で作り上げていく。

    それが、すれ違いをなくす一番の近道です。

    まとめ~あなたの頑張りを、ちゃんと届けるために~

    「相手が何もやってくれない」も、「頑張っているのに誰も評価してくれない」も、根っこにある課題はまったく同じです。

    自分の見えている範囲でしか、物事を判断できていない。ただ、それだけです。

    相手を完全に理解することは不可能です。だからこそ、すり合わせが必要になります。

    期待値を伝える。相手の期待値を聞く。

    相手がわかる言葉で伝える。

    「普通」ではなく「私は」を主語にする。

    これができるだけで、仕事の評価も、人間関係も、驚くほど変わっていきます。

    皆さんの頑張りが、ちゃんと相手に届くものになりますように。

  • 自己効力感を創る~折れそうな人をS級人材に引き上げた話~

    自己効力感を創る~折れそうな人をS級人材に引き上げた話~

    「もう自分、ダメかもしれないです」

    あるとき、1on1で部下からこう言われた。

    「もう自分ダメかもしれません。この業務を下りたいです。新庄さんはどういうふうにこういう辛さを乗り越えてきたんですか?このままだと僕ダメだと思います」

    マネジャーをやっていれば、必ずこういう場面に直面する。

    正直に答えると、自分の乗り越え方は「とにかくストレスをかけ続けて麻痺させる。そしていつかできると信じて動き続ける」というものだった。でも、その瞬間に気づいた。——それは再現性がない、と。

    自分にできたのは、今まで積み上げてきた経験や感覚があったからだ。それを同じようにやれ、とは言えない。


    折れそうな人材に本当に欠けていたもの

    年上から年下まで、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーをマネジメントしてきた。その中で、折れそうな社員に共通して欠けているものに気づいた。

    それは、自己効力感だ。

    「自分だったら何とかできる」という感覚。これがない。

    自己効力感というのは、ある程度の能力・武器・これまでの経験があるからこそ持てるものだ。それがない人たちにとっては、もちろん難しい。今まで経験してこなかった人たちにとっては、圧倒的に難しかった。

    だから自分がやったのは、「業務を下ろすのではなく、補佐として入りながら自己効力感を高めていく」という方法だった。

    自分のマネジメントを進めながら、一方ではスキルを伸ばしていく。「こういうふうに進めたらいいんだ」という感覚を掴んでもらえるようなマネジメントを始めた。

    その核となったのが、3冊の本だ。


    3冊の本という「武器」

    1冊目:世界一やさしい問題解決の授業(渡辺健介)

    この本を選んだ理由は、課題解決の思考法が体系的にまとまっていて、誰でも使えるように書かれているからだ。

    MECEというフレームワーク、ロジックツリーというフレームワーク、そして「課題→原因→解決策→検証」という具体的なPDCAの流れが、さまざまな具体例を用いて解説されている。自分の業務に当てはめて考えやすいのが、この本の大きな特徴だ。

    重要なのは、読書させることが目的ではなかったという点だ。

    この本の使い方は「辞書」であり「物差し」だ。

    まっすぐ線を引きたいと思ったとき、定規を取り出すように——仕事で詰まったとき、「このケースはどう考えればいいんだ?」と思ったとき、この本を開いてそのページを見れば、「こういうふうに考えればいい、次のステップはこれだ」とわかる。辞書でわからない言葉が出てきたときにそのページを開くのと同じ感覚だ。

    そういうリファレンスとして、最も分かりやすい本として選書した。

    思考の道具を手に入れると、それだけで「やりようがある」という感覚が生まれる。自己効力感の第一歩はここから始まった。


    2冊目:コンサル1年目が学ぶこと

    仕事ができる人の考え方と、仕事の基本的な進め方がすべて書かれている本だ。

    たとえば、こういうことが書かれている。

    • 結論から話す
    • 直球で話す
    • 数字というファクトで語る
    • 相手のフォーマットに合わせる
    • 相手のことをとにかく考える
    • 期待値を超える
    • 事実と意見を分ける
    • 仮説思考を持つ
    • 本質を見極める
    • 自分の時給を意識する
    • スピードと質を両立する
    • 喋らない会議には出ない

    超基礎的な話ではある。だが、これを本当にできている人は驚くほど少ない。そして、これができるようになれば、ある程度仕事ができる人間になれる。さらに、できることが増えていくにつれて、自信がついていく。自己効力感が育っていく。だからこそこの本を選んだ。

    実際に読んでもらった結果、まず「働くとはどういうことか。価値を出すとはどういうことか」が腹落ちした。

    それまで受け身だった動き方が、目的意識を持ち、「その目的に向けて何が必要なのか」を仮説思考で自分で考えながら動く自走型に変わっていった。

    会議や議論の中でも積極的に発言するようになった。しかもその発言が、常に結論ファースト。事実と意見の切り分けがちゃんとできている。「仕事ができる人材」の姿が、少しずつ現れ始めた。


    3冊目:USJを劇的に変えたたった一つの考え方

    3冊の中で、最も効果があった本だ。

    この本が与えたのは2つの思考法——戦略思考消費者視点だ。

    ビジネスというのは、「目的→目標→戦略→戦術」という流れで動く。目的を達成するために目標を置き、その目標を達成するためにどこに注力するかという戦略を立て、戦略が決まったら具体的に何をするかという戦術を考えていく。

    この流れを、そもそも理解できていなかった。

    社長とのコミュニケーションの中で、こういった話が頻繁に出てくる。だが、言葉は聞こえていても概念として理解できていない状態だと、会話の中身が入ってこない。まずは言葉を理解し、概念を理解するところから始まった。

    この本を通じて、戦略思考の流れを掴んだ上で、普段の業務に落とし込めるようになっていった。

    「この戦略は何か?」「何が最も重要なのか?」「どこに投資すべきなのか?」

    そして特に大きかったのが、重心思考だ。具体的に一番注力しなければいけないところはどこなのか——それを見極める思考法を手に入れた。これによって、打ち手の質が一段上がった。

    そしてその頂点にあるのが、消費者・顧客のことを考えるという視点だ。どんなビジネスパーソンであっても、相手のことを考えて動くことは絶対にやらなければいけない。この本は、戦略思考と顧客視点をセットでインストールしてくれる。

    重心思考と戦略思考——この2つを部下に伝えられるようになったことが、この本が最も効果的だったと感じる最大の理由だ。


    変化の全貌

    最初の状態:「もうダメかもしれない」と1on1で打ち明ける。自己効力感ゼロ。業務を下りたいと言っていた人間だ。

    3冊を経てどう変わったか。

    思考面:目的ドリブンで仕事をしながら、戦略的に重心思考ができるようになった。これが圧倒的に違う。

    行動面:今までだったら、会議で恐れおののいて発言できなかった。意見を求められても、ちゃんと自分の意見が言えなかった。それが、自分なりの課題意識を持ち、相手が誰であっても正直に物事を伝えることができるようになった。しかもその内容が、かなりクリティカルな情報として伝えられるレベルになっていた。

    現在:営業組織の中で、独立遊軍的なポジションを任されている。一人で施策をバンバン回している。

    これがS級人材への変化だ。


    マネジャーへ

    折れそうな部下を前にして、「自分の乗り越え方を教える」のは最もやってはいけないことだ。再現性がないからだ。

    自分がストレスに耐えて麻痺することで乗り越えてきたとして、それを同じようにやれとは言えない。

    やるべきは、その人が「自分にもできる」と感じられる体験を少しずつ積み上げること。そのための武器を渡すこと。

    3冊の本は、その武器だった。

    • 思考の辞書を持たせる
      (世界一やさしい問題解決の授業)
    • 仕事の基礎を体得させる
      (コンサル1年目が学ぶこと)
    • 戦略思考と顧客視点をインストールする
      (USJを劇的に変えたたった一つの考え方)

    自己効力感は、教えられるものではない。育つものだ。

    武器を渡し、補佐として並走しながら、小さな成功体験を積み重ねる。それが、折れそうな社員をS級人材に変える唯一の道だと、自分は思っている。